リモコンドアロックの取付
(by Masa)
【はじめに】
XJ40の4Lモデルにはキーレスリモコンが付いています。
93年型まではIR(赤外線)、94年式はRF(電波)を使用したリモコンです。
3.6Lや、3.2Lモデルでは、オプション扱いとなっていますがIR式の場合はヘッドコンソールに配線がすでにあり簡単に受信モジュールを取り付けることが可能です。
ただこしモジュールはリモコンとセットで5万以上する上、故障が多く感度が悪いとあまり良いことがありません。
私のXJ40('94 XJ6 4.0)もリモコンが付属していましたが動作しませんでした。94年式の場合は、セキュリテーと一緒のモジュールになっていてさらに値段が高そうでした。
そこで、社外品のリモコンドアロックを取り付けることにしました。

デジカメ持っていないので画像が無くてすいません。(^_^;
【セントラルロックの回路】
XJ40のセントラルロックは、ヘインズの整備本によると年式によって4つバージョンがあるようです。
88年まで、89〜90年まで、91〜92年まで、93年以降で違ってますが、基本的には(−)コントロール(国産車と同じ方式)で、コントロールリレーの有無と、コントロールロジックの回路(ECU)が違うと思われます。
93年以降の場合は、ロックリレーが有るので、セキュリティーシステムのドアロックオプションや、社外品のキーレスリモコンは、容易に取り付けることが可能です。
92年以前の場合は、取付が可能と思いますが(みやけさんが90年式にホーネットを付けてます)事前に回路の確認をして下さい。
【必要な部材】
1.リモコンロックモジュール 1個
今回はル・モンドというメーカーの“ドアロッくんV(5) VR−1"という商品でYHで\16,590(税込み)で購入しました。
国産車向けに専用の接続キットも用意されていますが、当然J用は有りませんので自分で配線して下さい。

メインユニット(受信側)から、1.ロック線(緑)、2.アンロック線(青)、3.電源(赤)、4.アース(黒)の4本の線をドアロックリレーモジュールに挟み込めばOKです。
また、スモールランプに繋ぐコールバック線(ピンク)とトランクオープンナー出力線(紫)が有りますが今回はコールバックにハザードを使いました。トランクオープンナーはXJ40の場合には使用しません。

2.エレクトロタップコネクター
1.25〜2sq用 2個(電源用の線に使用します)
0.5〜0.85用 2個(コントロール信号線に使用します)
注)ドアロッくんにも付属していましたがコードの太さに合わせて別途購入した方が良いです。

3.結束バンド 若干
コードを束ねるのに有ると便利です。
電気系の配線はショートや接触不良等の事故を防ぐためにも綺麗にまとめて固定する用に心がけて下さい。

●コールバックを行うためにはさらに以下の部材が必要です。

4.エレクトロタップコネクター
0.5〜0.85用 2個

5.リレー 1個
今回はジャガー純正のヘラー製を使用しましたがJJで13000円近くするらしいので、カーショップでフォグライト用(端子が4本タイプ)のリレーを購入すればOKです。
注)端子が3本のリレーは使えません。

6.平型端子 4個
リレーの配線に使用します。

7.ギボシ端子 若干
ハーネスの接続に使用します。

8.クワガタ端子 若干
車体アースを取るのに使用します。

9.配線用ケーブル 若干

10.両面テープ 若干
リレーを固定するのに使用します。
【作業手順 】
注意!
以下の作業は94年式、XJ40の場合です。93年式は同様の構成になっているはずですが他の年式の場合は、リレーの位置や形状、ハーネスの色が違う可能性があります。必ずテスター等で確認して下さい。
また、取付作業の前に安全のためにバッテリーの(+)側を外すか、セントラルロッキング回路のヒューズを取り外し下さい。

1.助手席側アンダーダッシュパネルの取り外し

ドアロックリレーは、ロック用のリレーとアンロック用のリレーが1つのパッケージに入ってモジュールになっています。
このリレーは、助手席側のアンダーダッシュに有りますのでまずアンダーダッシュカバーを外します。 fig1を参考に下側にあるポジドライブのネジを4本外して下さい。 カバー上部は3本のプラスチックピンで留まっていますので折らないように手前にまっすぐ引いて下さい。(fig.1参照)
fig.1
[重要]
94年式の場合は助手席にエアバックが装着されています。くれぐれも気を付けて作業し下さい。
エアバックが作動すると危険です。またエアバックを元に戻すには部品だけで60万、作業費込みでたぶん80万から100万円コースらしいです。左右のエアバックが出た場合は200万円コースで通常は全損扱いになるとのことです。94年式の方は気を付けましょう。
94年式XJ6の室内
94年式XJ6の室内
ステアリングと、グローブボックスの位置にエアバックが装着されています。そのためグローブボックスがありません。不便ですがその代わり任意保険が少し割引になりました。
2.ドアロックリレーへの配線

ドアロックリレーモジュールは3つあるリレーモジュールの一番左側です。(fig.2参照)
fig.2
リレーモジュールの正面に何のリレーか書いてありますのでよく確認して下さい。
リレーモジュールををマウントから外すにはモジュールの後ろ側から真下に引けば簡単にはずれます。
反対に取付の場合は、前の爪を引っかけてから後ろを押し上げればOKです。
このあたりは、実物を見ればわかると思います。
ドアロックリレーモジュールへの配線ですが結線図を作成したので参考にして下さい。
点線の部分が今回の作業で取付を行った場所です。
結線図
結線図
リレーモジュールの PPL/BLU(紫/青)色の線がロック用の制御線です。
この線にドアロッくんのロック信号線、GRN(緑)の線をエレクトロタップコネクターを使って、挟み込みます。
同様に PPL/LTGRN(紫/ライトグリーン)のアンロック制御線に、ドアロッくんのアンロック信号線、BLU(青)の線をエレクトロタップコネクターを使って挟み込みます。
電源は、BRN/ORG(茶/橙)から取ります。ドアロッくんのRED(赤)の線を挟み込んで下さい。
黒のアースは、クワガタ端子で適当な位置からとっても良いのですが今回はリレーモジュールのアース線 BLK(黒)の線に挟み込みました。
後は、ドアロックリレーを元に戻し、ドアロッくん本体を付属の両面テープで適当な位置に固定します。
私の場合は助手席側の左端にある金属のプレートに太めの結束バンドで固定しました。
アンテナ線をまっすぐ垂らして余ったコードは結束バンドで丁寧に固定して下さい。

以上で取付作業は終了です。
再度、配線ミスがないか確認したらバッテリー(ヒューズ)を戻してテストしてみて下さい。
ドアロック・アンロックが問題なく動作したら車外からもう一度ロック・アンロックのテストをしてみて下さい。
注)このとき鍵を車内に忘れないようにして下さい。アンロックできなかったら大変なことになります。

コールバックフラッシュを使用しない方はここで、アンダーダッシュのカバーを取り付けて完成です。
コールバックフラッシュを使用する方はまだカバーを取り付けないで下さい。

3.コールバックフラッシュの配線

コールバックとは、リモコンでロック・アンロックをしたときにスモールランプを点滅させてロック・アンロックを社外から確認する機能です。
ドアロッくんの場合、ロック時に1回、アンロック時に2回点滅します。

今回はハザードスイッチの回路に割り込んで、ハザードランプが点滅するようにしました。
まず運転席側のアンダーダッシュカバー4本のネジを外します。(fig.3参照)
カバー右端の上側にプラスチックピンが1本有りますので折らないように注意しながら手前に引いて下さい。
fig.3
ステアリングコラムのフェイシアパネル左側、ライト関係のスイッチ(ライトロジックモジュール)の下側を覗くとそこから出ているハーネスの束に青いコネクターが付いています。(fig.4参照)
fig.4
念のためにそのコネクターを外した状態でハザードスイッチをオンにしてみます。
ハザードが点灯しなければあたり。点灯した方はもう一度よく探して下さい。
PNK(ピンク)のコールバック線は、スモールランプを直接点灯させる仕様なので(+12V)を出力するだけです。このままではハザードの回路につなぎ込めませんのでリレーを使用します。
もう一度回路図を確認して下さい。コールバック線につないだリレーをハザードのスイッチに割り込ませてオン・オフさせます。
助手席側のドアロッくんメインユニットから、運転席のライトコントロールハーネスまで一本線を通します。
注)運転席と助手席の間のセンターコンソール内にコードを這わすときは針金かバインド線等を使用してメッセンジャーにすると楽です。

助手席側の先端にはギボシ端子を、運転席の先端には、平型端子を取り付けます。
端子を付けたら左右の先端をドアロッくん本体の PNK色の線と、今回取り付けるリレーに接続します。
注)端子を取り付ける場合、オス・メスの確認と絶縁カバーの入れ忘れに注意して下さいね。

リレーのアース側はクワガタ端子等を使用して適当な場所につないで下さい。今回はメータの取付ネジに固定しました。

ここでリレーが働くかチェックして下さい。リモコンロックを操作してリレーかカチカチ音がすればOKです。
ハザードスイッチへの線は、先ほどのコネクターから、BLK/PNK(黒/ピンク)色の線と、YEL/RED(黄色/赤)の線にエレクトロタップコネクターでケーブルを挟み込んだら先端に平型端子を付けて、リレーに接続して下さい。
注)青いコネクターにはなぜか YEL/RED の線が2本有りました。コネクターの端から2番目と5番目にYEL/REDの線が有ります。ハザードスイッチは、5番目の線です。

リレーは適当な位置に両面テープ等で固定して下さい。

これでリモコンでドアロック・アンロック操作を行うとハザードランプが点滅するはずです。
無事点滅するようでしたら、結束バンドでケーブルを整えてアンダーダッシュのカバーを取り付けます。
Masa号
完成!(Masa号 94' XJ6 4.0)
【あとがき】
キーレスリモコンはなかなか便利で、一度使うと手放せません。
純正の赤外線式が壊れていたり、リモコンが無い方。リモコンロックが装備されていない方は一考の価値ありです。

補足) ドアロッくんには、セキュリティーによくあるの点滅するLEDが付属していました。
94年式の場合ダッシュボード上、ソーラセンサーの隣にロック時に点滅するLEDが付いていますので今回は使用しませんでした。
【注意】
作業に当たっては個人の責任でお願いします。
作業の前にキーレスリモコンモジュールに付属の説明書をよく読んでから作業して下さい。
安全のためにバッテリーの(+)を外す、ヒューズを抜く等の処置をしてから作業して下さい。
また、エアバック搭載車の場合は特に作業には気を付けて下さい。
結線には圧着端子や、ギボシ端子等を使用し絶縁不良、接触不良には十分注意して下さい。直結や、からげ配線は、電気系統に重大なダメージを与えたり火災の原因になります。
今回のレポートは最初にも述べたように94年式、XJ40です。92年以前のモデルに取付の場合は、別途リレーもしくはドアロックアクチュエーターが必要な場合もあります。
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